銀行融資のリスケをしていますが増資は受けられますか?
借入金のリスケと増資

銀行融資のリスケ(返済条件の見直し)をしている状態ですが、M&Aはできますか?とよく聞かれます。答えはYESです。
銀行融資のリスケをしてしまうと、もう自分の会社はブラックだ、破産寸前でもうダメだ、と考えてしまう経営者がよくいらっしゃいます。まったくそんなことはありません。
銀行融資のリスケをしていたとしても、純資産がマイナスでなければ、まだまだ増資を受けたり、M&Aによる会社売却は可能です。そもそもリスケをする状態になったのは、確かに企業として完全に破たんしているケースもありますが、資産が現金になるタイミングが遅く、入出金にズレが生じている状態にすぎないケースもあります。こうした会社は、資産を流動化して資産が現金になるサイクルを早めたり、あるいは銀行借入を長期化したり、さらには借入を資本金の増加で賄うことで十分に経営を正常化することが可能なのです。
現在の日本では、取引が行われて会社が売上を計上しても、その多くの場合はいったん売掛金となり、それが現金化されるまでは時間がかかるのが通常です(逆に支払いも時間的猶予があることが多いでしょう)。したがって、このサイクルが悪化して、現金回収が遅くなることで、結果として銀行借入が返済できない状況になることはよくあることなのです。
日本の中小企業は実に資本金が少なく、どの会社も資本金過小の状態です。売上が数十億なのに、資本金が1,000万円しかない、といった驚くべきアンバランスな企業も実は多くあります。もちろん、安定的に収益を上げていき、利益剰余金を重ねていくことで純資産を手厚くすることは可能ですが、なかなかそういった企業は少ないでしょう。そのため、ちょっとした売掛金の回収タイミングのずれや、投資した資産の収益化が遅れた場合、あっという間に返済困難な状況に陥るのです。業績は好調で黒字を続けていても、ある日突然倒産、といういわゆる黒字倒産がことのほかよくあるのはこのためです。売掛金の回収サイトが長い広告業や、投下資金が巨大で資産が固定化しやすい不動産業などに多いですね。一方、現金回収が基本でいわゆる「日銭」が入ってくる小売業や飲食店は、赤字にもかかわらず、結構しぶとく生き残っています。

こうした状況を回避するためには、M&A特に増資が有効な手段となります。なんといっても、資本金は返済の必要がない資金調達方法です。もちろん、経営に口を出す権利も与えてしまうので、その意味では嫌がる経営者の方も多いと思いますが、外部の株主の存在は会社に対する監視機能の強化や、株主との業務提携などによる外部経営資源の活用、さらには銀行などに対する与信力向上など、非常に多くのメリットがあります。
これまで自前でやってきて、銀行借入のリスケをする羽目になったと落ち込まないでください。むしろ、リスケを機に、外部の資本を活用し、事業基盤の一層の拡大につなげてみてはどうでしょうか。
しかしながら、外部の資本を導入するということは、どんな資本でもいいわけではありません。よくお金に色はない、と言いますが、資本金に色はあるのです。あくまで外部からの経営参加が前提ですし、何より法律にのっとって増資をする必要があるため手続きも厳格でかつ煩雑です。また、増資をしたのちの株主総会の開催や、株主への報告、コンプライアンス意識の向上など、増資によってやらなければならないことも格段に増えます。
当社は、これまで上場企業を含めた増資などのファイナンスおよびM&Aを数多く手掛けてまいりました。そのため、増資に関しても実務ノウハウでなく、増資を引き受ける先の幅広いネットワークを有しています。銀行借入をリスケしたことで、この先どうなってしまうのか不安で悩んでいる経営者の方は、ぜひ一度当社にお問い合わせください。
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