消費税が支払えないときに、やるべきことがありますか?
会社が消費税を支払う期限は、決算日を過ぎてから2か月以内と定められています。
上場会社などは、株主総会を開催するのが、決算日から3か月以内ということもあり、法人税の申告は延長という制度があります。ところが、消費税はその場合であっても、関係なく、2か月以内に支払う必要があるのです。このとき、会社にとって1年分の消費税を1回で支払うことは、負担が大きくなる可能性が高くなります。そのため、直前の決算の時に支払った消費税が大きくなると、翌年は分割で支払うように要求されます。
M&A成約額 | 中間申告・納付回数 |
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48万円超400万円以下 | 年1回(直前の課税期間の消費税額の2分の1) |
400万円超4,800万円以下 | 年3回(直前の課税期間の消費税額の4分の1ずつ) |
4,800万円超 | 年11回(直前の課税期間の消費税額の12分の1ずつ) |
そもそも、「消費税はお客様から預かっているお金なので、毎月、銀行に積み立てている」という社長もいます。会社の資金繰りを考えれば、すばらしいことです。でも一般的には、資金繰りに余裕がある会社は少なく、消費税は使ってしまいます。すると、決算日になり、支払えなくなってしまうのです。消費税が社長の頭を悩ませる理由は、法人税は利益が出なければ、均等割りという地方税だけを支払えばよいのですが、消費税は赤字でも、多額になることがあります。特に、売上に対して人件費率が高い事業は、消費税の支払いで倒産することもあるのです。あなたは、「税金で、倒産する?」と驚くかもしれません。
税務署としては、「消費税は預かっているのだから、支払って当然」という考え方があるのです。
しかも、例えば、昨年度の消費税を支払えなかった場合でも、「先に今年度の消費税を支払え」と要求されます。というのも、新しい税金の滞納の案件の数が増えることを、税務署が嫌がるからです。そのため、昨年度の消費税が納められないまま、延滞税が加算されていきます。今年度の消費税の支払いもあるのに、昨年度の消費税が納められる訳がありません。しかも、消費税が滞納していると、銀行の態度も変わってしまい、短期借入金の借り換えや運転資金として少しの融資には応じてくれても、設備投資資金などには医療法人には、持分の定めのある医療法人と持ち分の定めのない医療法人があります。
1. 持分の定めのある医療法人を売却するとき
持分の定めのある医療法人の株主を、社員と呼びます。従業員のことではありません。
持分の定めがあるため、院長先生は、自分の持分を第三者へ、自由に売却することができます。
医療法人を設立するときには、都道府県から指導があり、最低3人の社員がいるはずです。
それでも、出資するときに、金銭出資の必要はなく、労務出資で社員に就任することもできます。
そのため、医療法人の院長先生が、1人で100%の持分を所有していることも多いはずです。
ところが、議決権は、1人1票と決まっているため、3人の社員がいる場合、院長先生の持分を買ったとしても、過半数を抑えることができません。
100%の持分とは、院長先生が、社員の地位を脱退するときに、医療法人に払い戻しを請求できる権利であり、医療法人の運営を決定できる権利は1票しかないのです。

何年間も医療法人を運営していると、労務出資をしている社員が脱退していることもありますし、支店を作った場合には、その支店長は医療法人の理事に就任します。このとき、都道府県によっては、同時に理事は社員として参加するように指導することもあります。
そのため、医療法人を設立したときから、今までの社員の異動の履歴を作成して、社員名簿を作る必要があります。厚生労働省も、下記を記載した社員名簿を作るように指導しています。
- 氏名
- 生年月日(年齢)
- 性別
- 住所
- 職業
- 入社年月日(退社年月日)
- 出資持分の定めがある医療法人の場合には、出資額及び持分割合
- 法人社員の場合には、法人名、住所、業種、入社年月日(退社年月日)
現在の社員(株主)が誰なのか、分からないと、M&Aで売却することはできません。
また、売却先は、個人ではなくても、一般社団法人やNPO法人でも、株式会社でも構いません。
ただ、株式会社だけは、持分を所有することはできるのですが、議決権は持てません。例えば、持分はすべて株式会社に売却して、個人が社員として労務出資すれば、持分の定めのある医療法人のM&Aは成立できます。なお、売却するときの所得税は、持分の売却益に対して、20.315%となります。
2. 持分の定めのない医療法人を売却するとき
持分の定めのない医療法人の株主も、社員と呼びます。やはり、従業員のことではありません。そして、設立するときに、最低3人の社員が存在し、その社員には1人1票の議決権があります。ただ、持分の定めがないため、誰も持分を所有していません。(基金拠出型医療法人の場合だけ、社員には最初の基金分だけ返還してもらう権利がある)
院長先生は、自分の持分を第三者どころか、親族にも売却することができません。
それでは、持分の定めのない医療法人は、M&Aで売却することができないのでしょうか? 持分の売買ではM&Aが成立しないため、買収する院長先生が理事長となったあと、退職金で支払うことになります。

ところが、税務上、医療法人が支払える退職金は、上限が決まっています。
退職金の上限額 = 院長先生の最終報酬月額 × 勤続年数 × 3倍
例えば、院長先生の最終報酬月額が300万円(年収3,600万円)で、勤続年数が20年とすれば、退職金の上限額は1億8,000万円と計算されます。退職金であれば、所得税は、かなり安くなり、持分を売却したときの20.315%よりも、手取りは多くなります。
ところが、この金額では納得できない場合には、顧問として就任して、顧問料をもらい、一定の期間後に退職することになります。もちろん、働いていないのに、多額の顧問料を支払うことは、医療法人の税務上のリスクが大きく、実行できません。そのため、退職金と顧問料を合わせて、希望の金額に達するまでは、院長先生は働き続けることになります。
これ以外には、持分の定めのない医療法人を売却する手段はないのでしょうか?
実は、持分の定めのない医療法人であれば、分割制度、事業譲渡など、上記以外の方法で、売却する手段があるのです。
ただ、法律の手続きや税務上の要件が複雑になります。もし詳細がお聞きになりたい方は、当社まで、ぜひお問い合わせください。
お気軽にお問い合わせください。03-6821-4016受付時間 10:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]
お問い合わせ最後に、医療法人の理事長は、医師又は歯科医師でなくてはいけません。また、支店がある場合には、そこに常駐して管理責任者となる医師又は歯科医師が必要です。
ときどき、厚生労働省は、医師又は歯科医師でなくても、一定の要件があれば、医療法人の理事長となれる要件を公表していると反論されることもあります。ところが、都道府県の管轄の現場では、認められることは、かなり難しいのです。